仏像葬(お骨仏)という古くて新しいお墓~祈りの仏様
=こつぼとけ=
「骨仏」というお墓をご存知でしょうか?
最近、NHKや雑誌などメディアに取り上げられ、全国的にも知られるようになってきました。「墓じまい」や「終活」「おひとり様」といった問題を解決できる「究極の供養」と注目を浴びています。
仏像葬は、平安時代からあり、日本の国宝として指定されています。

琵琶湖を望む景勝の地に立つ近畿屈指の名刹、三井寺(みいでら:園城寺(おんじょうじ))。白鳳時代686年に創建され、平安時代前期には入唐求法(にっとうぐほう)を終えた智証大師円珍(ちしょうだいしえんちん:814~891)が天台別院として中興しました。日本の文化財保護に努めたフェノロサがこよなく愛したことでも知られ、日本でも有数の国宝・重要文化財を保持しています。
円珍の座像は、遺骨を坐像の中に納めて今も三井寺に奉安されています
日本で第1号の「仏像葬(お骨仏)」であり、の遺骨を納めたお骨大師といわれ、日本の国宝に指定されています。
現在、お骨仏として有名なお寺は、大阪にある「一心寺」です。
明治時代、たくさんの遺骨がお寺に集まり、それを供養しようと、遺骨とセメントを混ぜ合わせ、お骨仏が造仏されました。
一心寺の納骨堂には現在8体のお骨佛様がお祀りされています。
明治20年に第1体目が造立されて以来、10年ごとに開眼しておりますので通算では14体になりますが、戦前に造られた6体は残念ながら戦災で焼失いたしました。
平成29年には、なんと22万人の遺骨で一体の仏像が完成しました。
平成29年 一心寺 開眼式
仏像葬(骨仏)の良いところ。
何てことでしょう?お骨で出来た仏様?
ガイコツの仏さま?何て恐ろしく気持ち悪い?

それは、大きな間違いです。
お骨仏は、何と22万人の遺骨で造られ、たくさんの方の信仰を集める仏さまとなり、とても美しい姿です。

お墓はお金がかかる?
お墓は、墓石代・永代使用料・そして毎年の管理費 費用がかかる?
通常 墓石の平均価格は、114.3万円(墓地代別)です。 80万円未満の価格帯が34.1%、80万円~120万円未満で32.2%と、この2つの価格帯で約2/3を占めています。 その次が、120万円~200万円未満で23.2%。 つまり、全体の89.6%が200万円以内のお墓となっています。
この金額とは別に、永代使用料が必要です。土地代と同じで、大きさや場所(日当たり)お寺の格式によって違ってきます
例えば、曹洞宗の大本山 鶴見の総持寺であれば、210万円~と410万円~があります。
合計すると、最低でも、350万円程が必要になります。(設置費や管理費・開眼費など大雑把に計算して)
良く知れた、「鎌倉霊園」の場合 普通霊域の費用
永代使用料(非課税)330万円より 墓石工事費(税込)310万円より
合計 640万円より 年間管理料(税込)7,260円 ホームページ
お墓は、一生ものどころか、末代までだとは言え、一般庶民にはなかなか手が出せないのが現状です。
では、市営(東京都)の公園墓地は?
多磨霊園でも159万~518万円
よくテレビで、抽選が当たった!外れた!と放映されていますが、土地代と墓石代を合わせると、やはり250万円以上はかかるものです。
ならば、合同のお墓でいいやという方。
上記費用をもう一度見ていただくと、
多磨霊園合同収納 258,000円(2柱) 管理費 3,210円
小平霊園の樹木葬 131,000円
となります。
これに比べて、一心寺のお骨仏は超破格値
1柱 1万円(管理料なし)
なんと、比べることもできない たった1万円のみで出来るのです。
何?それ?
通常、お墓を立てると、350万ほどだけど、都営霊園なら200万ほど
一般の樹木葬なら50万円ほどだけど、都営の樹木葬なら、13万円
都営霊園は、抽選しないと当たらないほどの倍率で、人気があるのも安いから。
そこまではわかります。
しかし、仏像葬(お骨仏)にするとたった1万円だけで済む?そんな馬鹿な。
だまされたり、何か仕掛けがあって、あとで大金を請求されたりしない?
1万円だけって安すぎるでしょう。管理費の間違いでは?
そのように疑問に思う方は、多くあります。東京 本寿院では、3万円のみ
本当にそれでいいのだろうか?
ちなみに海への散骨(海洋葬)ならばいくらぐらい?
一般的には、乗船する場合10万 代理であっても5万円程です。
やっぱり、仏像葬(骨仏)が一番安いじゃない。
どうして?そんなに安いの?
仏像葬(お骨仏)は利益を求めていないから
一心寺は、利益を求めて作ったのではなく、たくさんの困っている遺骨が集まってきて、それを見かねて供養の形として仏像にしました。本寿院も同じで、独身や身寄りがない方がお墓に困って多くの相談があり、お骨仏を造立するに至った経緯があります
NHKや朝日新聞などメディアで多数取り上げられていますので、その金額に嘘はありません。
子供がいない。墓じまい
私たちには、子供がいません。
先祖代々のお墓があるのですが、継いで行くことが出来ません。
墓じまいをしたいのですが・・・
大阪 一心寺では、受け入れ制限
令和3年1月1日より、改葬納骨はお受けできません
「墓地墓じまい・墓出し」、「各種納骨施設からの移転」等の納骨は、できません
したがって改葬受入証明は発行できません。
と発表されました。(一心寺ホームページ)
通常、お墓には、5柱ほど 先祖代々の遺骨が納められています。多い方では、15柱ほどの方も
墓じまいするには、法律的に「改葬手続き」をしないといけません。
改葬を小平霊園の樹木葬にした場合、13万×5柱=65万円(墓石撤去代別)もかかりますが、一心寺であれば、5万円で済んでしまいます。この差はとても大きいものです。
しかし、あまりにもたくさんの申し込みがあり、(ある意味お骨を捨てに来るような方も)お寺の主旨から反するため、受け入れ制限をされることになったのだと推測します。(他の仏像葬(お骨仏)のお寺では、まだ受け入れているそうですが、最近の流れになってきているようですのでので直接ご確認ください)
仏像葬(お骨仏)の人気は、費用だけにあらず
私が、仏様となる
私のお骨が 仏さまになって 人のためになる。
そもそも、私のお骨は、子供たちに迷惑をかけないために海にでもまいてくれればいい。
独身なので、無縁仏となって困ってしまう。
私の遺骨は、困りものになってしまう・・・
お墓=眠る場所
と考えるために、遺された人に迷惑をかけたくないとお考えの方が多くあります。
私が死んだらどうなるのだろうか?だれも参ってくれないだろう・・・などなど
仏像葬は、あなたの遺骨でできた仏像が、お寺の本堂もしくは供養堂に安置され、たくさんの方の祈りの存在となる。
いわば、あなたの遺骨が邪魔ものになるのではなく、あなたの遺骨が役に立つのである。
まさに、死後の希望である(本寿院住職談)
ですから、今までのお墓の概念を、ガラッと変えた仏像葬(お骨仏)といえるでしょう。
まさに究極のお墓であるとNHK「所さん大変ですよ」に紹介されました

全国 骨仏のお寺
骨仏を一般的に受け入れているお寺一覧
骨仏の開始時期や供養方法 | 供養料 | |||
新潟県 | 国上寺 | 真言宗豊山派 | 明治の行智僧正の住職の頃、十万人精霊供養会(十万講)を勤修していました。 (現在、本堂前に十万講供養塔が建立されております)その為、時世を見据え さらに12年に1度(子年開帳)秘仏御本尊を常時参拝できるように骨仏を発願. 新潟県燕市国上1407番地 |
納骨料 5万円 (永代供養をご希望の方は別途相談) |
栃木県 | 尊星王院 | 天台宗系単立 | 日光にある霊符山 尊星王院 霊符のお寺として知られているお寺 |
3万円 |
埼玉県 | 広徳寺 | 天台宗系単立 | 本寿院の埼玉別院 尼僧のお寺 尼カフェやNHKカルチャーなど 「ぶっちゃけ寺」出演 名物尼僧さん |
3万円 |
東京都 | 本寿院 | 天台宗系単立 | 2008年第56世門跡の遺骨で造仏されて以来2体の地蔵菩薩。 住職は、土仏師であり、住職自らお遺骨を粉状にし、つちぼとけとして造立 東京都大田区南馬込1-16-2 |
3万円 送骨も受付している |
神奈川 | 円宗院 | 天台宗系単立 | 神奈川別院 人形供養・つちぼとけ教室等 特にお助け地蔵盆が有名 神奈川県平塚市東中原2-17-7 |
3万円 |
愛知県 | 一乗院 | 天台宗 | 平成九年に一体、更に平成十五年に二体目のお骨仏の造像が成り、当院阿弥陀堂に安置されています。 愛知県名古屋市天白区中平2丁目1914 |
|
京都府 | 金戒光明寺 | 浄土宗 | 2011年阿弥陀如来開眼 天台寺門宗の僧籍のある仏師が製作 京都市左京区黒谷町121 |
8万円から |
滋賀県 | 西願寺 | 浄土宗 | 平成23年3月11日、東日本大震災からはじめる。震災直後、遺族が西願寺に納骨を依頼したことを受け、 三十一世住職・念誉昭憲上人が、震災の惨状を風化させることなく、また永代に渡り遺骨を供養するため造立されました。 滋賀県近江八幡市船木町1246 |
納骨料 5万円 (永代供養をご希望の方は別途相談) |
愛知県 | 飛鳥 善光寺 | 比叡山で得度 | 大切な亡き故人のご遺骨を丁重に「仏様」(阿弥陀様・観音様等々)に造立。 仏教広儀の「即身成仏」として身と心(魂)を葬送し、永代供養. 愛知県海部郡飛鳥村元起3丁目26 |
1霊5万円(合祀) 個別の場合は相談 |
石川県 | 孝真寺 | 単立 | 昭和5年ごろから開始され、親鸞聖人・蓮如上人・釈迦・阿弥陀・聖徳太子・観音像がある。初期は、お骨を砕き製作していたが、今では骨仏の背中からお骨をいれ、地下に合葬する。 石川県金沢市十一屋町16-8 |
特に決めていないが、3万~5万が多い |
広島県 | 敬覚寺 | 浄土真宗本願寺派 | 大正4年から開始され、阿弥陀如来6体 約1000人を目安に1体を造立。お骨を住職と総代で粉状に砕き、仏師に依頼して造仏 広島県安芸高田市美土里町横田甲2882 |
特に決めていないが、門徒以外は3万~5万が多い |
島根県 | 東林寺 | 浄土宗 | 「御骨仏」の胎内に分骨し、春秋の彼岸、盆の年3回の法要にて特別回向を営む。 島根県松江市外中原町358 |
75万円 |
香川県 | 法然寺 | 浄土宗 | 昭和24年ごろから開始され、阿弥陀三尊・阿弥陀坐像・観音菩薩の計6体 10年を目安に1体を造立。お骨を僧侶が粉状に砕き、仏師に依頼して造立 香川県高松市仏生山町甲3215 |
お骨の量により異なるが10万円から |
福岡県 | 長専寺 | 浄土宗 | お骨仏を安置する「青色青光」堂内観 新しいタイプの納骨堂です。 福岡県遠賀郡水巻町立屋敷3丁目13-13 |
大3万円 小1万円 長専寺の檀信徒でない方は護持費1年分(5,000円)をお納め願います。 |
骨仏をお祀りしているお寺。
滋賀県 | 三井寺 | 天台宗寺門派 | 円珍坐像 智証大師の遺骨を収めている「御骨大師」 製作:九世紀 国宝に指定されている。 |
兵庫県 | 書写山 円教寺 | 天台宗 | 開山堂に祀られている性空上人の坐像から平成22年に上人のものらしい遺骨が発見された。 |
東京都 | 大雲寺 | 浄土宗 | 本尊阿弥陀如来坐像(骨仏)の由来、本尊は運慶作の阿弥陀如来でしたが、関東大震災によって焼失しました。そこで、19世雲誉龍童と佐藤如雲(檀信徒)が、関東大震災の罹災者の一周忌追善のため、罹災者遺骨と納骨堂安置の遺骨によって造立した「骨仏」です。 東京都江戸川区西瑞江2-38-7 |
遺骨でもって仏像を作ってくれるサイト
大阪 | 大興院 | 大興院、大切な方の遺骨を使用して仏像をお作りする 「家族佛」の発売を開始 |
骨仏のユーチューブ動画 朝日新聞 一心寺
佐藤葬祭